家族信託契約

家族信託とは「家族に自分の財産を託し、代わって管理・運用してもらう制度です。


パターン①認知症の対策として家族信託を利用する。

委託者(親)が認知症などで判断能力がなくなった時のために、予め受託者(子)と契約を結び、財産の管理・運用・処分のルールを定め、その中から受益者(親)の生活に必要な金銭等を給付し、その後、受益者が亡くなった後は、その財産を受託者(子)がそのまま承継して行く。

パターン②高齢者夫婦と障害のある子の三人家族で、高齢者夫婦が他界した後、子の安定した生活と財産管理に備えたい場合に利用する。

高齢夫婦(委託者)が元気なうちに信頼するもの(受託者)と契約を結び、財産の管理・運用・処分のルールを定め、その中から高齢夫婦(受益者)の生活に必要な金銭等を給付し、高齢者夫婦が亡くなったら障害のある子に給付することで障害のある子の安定した生活が確保できる。

成年後見制度との違い年後見制度は、成年被後見人のために財産を保全することが第一の目的となっておりますので、本人や家族の希望した財産管理・運用・処分を叶えることはできません。しかし、家族信託は本人(委託者)と受託者との契約なので、本人や家族の望むような内容にすることができます。

家族に財産を託すことにより、「柔軟な財産管理」又は「本人の望む相続」が実現できます。

生命保険の活用

1,生命保険金の非課税枠の活用

相続対策を考える上で生命保険契約はよく活用されております。

死亡保険金の額を「500万円×法定相続人の数」にしておくことで受取保険金について相続税が非課税となり、預貯金として財産を残す場合と比べ生命保険金の形で相続した方が非課税枠の分だけ財産が目減りし確実な節税効果が見込めることとなります。                             
2,納税資金対策

相続財産のほとんどが自宅などの不動産であり、現金や預貯金があまりない状態のまま相続が発生すると、相続税の納期限までに納税資金が準備できずやむを得ず相続財産の一部を売却するなど納税資金に困るケースが考えられます 。

納税資金を確保するために比較的簡単な手続きとして生命保険への加入が有効です。想定される相続税額を正しく算出し、納税資金として生命保険でいくら確保するか、保険料でいくら払うのか、受取人は誰にするかなど事前にしっかり検討することが重要です。                            
3,遺産分割対策

生命保険金は、受取人固有の財産であるため、遺産分割協議の対象外であり、被相続人は生前から自分の意思で特定の受取人に一定の財産を相続させることが可能となります。

また、相続財産のほとんどが分割できない財産である場合、生命保険金を代償金として活用することによって、遺留分に配慮した円滑な遺産分割ができます。