近年、成年後見制度の利用が拡大する中、市町村長による後見人の申立てが過去最多となっています。2023年には申立件数が9,600件を超え、過去最多を記録しました。特に高齢者や障がいのある方が身近に支援者を持たない場合、自治体が後見制度の活用を促進するケースが増えています。

市町村長による成年後見制度の申立てが増えている要因として、以下の点が挙げられます。

• 高齢化の進行：認知症を患う高齢者が増え、判断能力の低下により財産管理や契約締結が困難なケースが増加。
• 身寄りのない高齢者の増加：単身高齢者や親族との関係が希薄な人が増え、親族による後見申立てが困難。
• 地域包括ケアの推進：自治体が高齢者や障がい者の生活支援を積極的に行う中で、成年後見制度の活用が促進。

しかし、財政負担の増大や後見人の確保の難しさなどの課題も浮上しています。今後は、市民後見人の育成や自治体間の連携強化など、地域社会全体での取り組みが求められます。

高齢化対策だけでなく、支援する世代も減少する中で、社会全体で支え合う仕組みの構築が急務ですね。